もっと、君に恋していいですか？
お盆前ではあるが、夏休み中のよく晴れた土曜日と言う事もあり、SASSは息をつく間もない目まぐるしさだ。

ぐんぐん上昇する気温と、次々と給油に訪れる車の応対で汗だくになりながら、スタッフたちはグランドを奔走する。

しばらく経った頃、また何人かのヘルプのスタッフが到着し、夜から勤務していたスタッフ全員を交替させる事が出来た。

（あとは昼休憩か…。少し遅めになるな…。）

パソコンを前にスタッフの休憩時間のやりくりを考えながら、薫はグランドの様子を窺った。

「タンクローリー入りました!!」

オフィスのドアを開けて若いスタッフが叫ぶ。

「了解。」

薫は再びグランドへ戻り、タンクローリーを誘導した。

停車したタンクローリーの上に上がり、内部で仕切られたタンク毎についている小さな蓋を開けて中のガソリンを確認すると、運転手が地下タンクへの給油作業の準備を始めた。

「なんか大変な事になってるらしいね。集団食中毒だって？」

「ハイ。マネージャーとサブマネージャーも被害にあってしまって。」


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