もっと、君に恋していいですか?
薫より少し歳上らしいタンクローリーの運転手は、給油ホースを地下タンクの給油口にセットしながら、珍しそうにタンクの上の薫を見上げた。

「アンタは?」

「本社からマネージャー代理で来てます。」

「へぇ…。オタクの会社には若くても優秀な女の子がいるんだね。」

「仕事しか取り柄がないもんで。それに、そんなに若くもないです。」

タンクのはしごを降りながら薫が答えると運転手は、他の女の子のような愛想のない薫を見て笑った。

「ふーん?まぁ、あんまり無理し過ぎるなよ。なんだかんだ言っても、体力では男に勝てないんだから。休める時にはちゃんと休みな。」

「ありがとうございます。そうします。じゃあ、終わったら声掛けて下さい。」

ペコリと頭を下げて走ってグランドへ戻り接客にあたる薫の姿を、運転手は給油作業をしながら目で追って呟いた。

「働きモンのイイ女だねぇ…。」




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