もっと、君に恋していいですか?
「これもアタリだ。薫ちゃんはわかりやすいなぁ。」

(なんで?私、そんなにわかりやすい?!)

薫はできるだけ平静を装ってビールを飲んだ。

「…相手が誰であろうと、津村さんには何も話しません。私は元々、そういう話を人にするのは好きじゃないので。」

「相手は昨日隣に座ってた彼だ。違う?」

もうこれ以上何も聞かれたくないのに、そんな薫の気持ちはお構いなしで、敦はまた、笑って図星を突いた。

「……いい加減にして下さい。」

「オレが薫ちゃんに抱きついたりプロポーズしたりしたら、彼すごい顔してたもんね。嫉妬して、敵意剥き出しって感じで。」

志信の様子に気付いていながら敦はわざとあんな事をしたのだと思って、薫は必死で苛立ちを抑えた。

「…何が言いたいんですか?早く飲んで部屋に戻って下さい。私、もう休みたいので。」


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