もっと、君に恋していいですか?
「彼氏なら、オレの彼女にさわるなって怒ればいいのにさ。文句のひとつも言わないなら、オレがもらっちゃうよ。」

敦の言葉に、昨日の志信のつらそうな顔と冷たい言葉を思い出して、薫の目にまた涙が溢れそうになった。

「もういい加減にして下さい!!津村さんに何がわかるんですか?!あんな冗談言って人の気持ちを逆撫でして、何が楽しいんですか!!」

薫が堪らず大声を上げると、敦は缶ビールをテーブルの上に置いて立ち上がった。

見た事もないような真顔でゆっくりと近付き、薫の手から取ったビールの缶をテーブルの上に置いた。

そして次の瞬間、いきなり薫をベッドに押し倒した。

「冗談なんかじゃない。本気だよ。」

薫は驚きのあまり声を出す事も出来ない。

「歳ではどう頑張っても勝てないけど…オレだってもうあの頃みたいにガキじゃない。今すぐ薫ちゃんを力ずくで自分のものにする事だって出来るんだよ?」


< 91 / 225 >

この作品をシェア

pagetop