もっと、君に恋していいですか？

薫からの連絡がないまま迎えた月曜日の朝。

志信は重い足取りで出社した。

（結局、薫からの連絡なかったな…。）

もしかしたら薫はもう口もきいてくれないのかも知れないと不安に思いながら、販売事業部のオフィスへ向かう。

（一緒にいてくれなくていいなんて、言うんじゃなかった…。やっぱりオレが謝るべきなのかな…。）

鞄を置いてから喫煙室でタバコを吸っていると、石田が隣に座ってタバコに火をつけた。

「おはようございます。」

「おはよう。笠松、金曜日あれからどうなった？」

「金曜日ですか…。」

志信は眉間にシワを寄せて、ため息をついた。

「どうした？ケンカでもしたか？」

「ケンカの方がマシかも知れません…。」

「なんだそれ？」

意味がわからないと言った様子で、石田は顔をしかめた。

「オレ…最低です…。」