もっと、君に恋していいですか？

たくさんの社員で混雑している喫煙室を出て、志信と石田は休憩スペースでアイスコーヒーを買った。

石田はアイスコーヒーを一口飲んで、肩を落としている志信を見た。

「それで？何があった？」

「バカみたいに嫉妬して、思ってもないひどい事言っちゃいました…。」

「悪かったと思ってるなら、素直に謝ればいいじゃん。」

事も無げにそう言う石田に、志信はボソボソと覇気のない声で話す。

「そうなんですけど…。付き合ってるのも内緒にされて、連絡するのもいつもオレからで…。石田さん、オレね、彼女から電話もらった事ないんです。」

「そうなのか？」

「電話もメールも、いつもオレからで…。会いたがってんのもオレだけで…。オレだけが悪いのかとか…なんでオレばっかり必死なんだって思ったら虚しくなって…それで、彼女の反応を待ってみようかと思って…。」