こちら中等部恋愛運営局。
「おはよう...」
「だから、今日は俺がやるって!」
「いつも私がやってるんだから私がやるわよ!」
「...」
私が来たことにも気付かない双子に少し苛立ちを覚える。
いつもなら飛び付いてくるのに...
「先輩、おはようございます!」
「未月、おはよう。
あの二人は何で揉めてるの...」
呆れて聞くと、未月は困り顔で「アピールポイントの取り合いですかね。」と言った。
「あぁ...
千弘が麻琴の仕事でアピールしようとしてるのね。」
「そういうことです...」
未月は溜め息をつくと、自分の記録用ノートを取り出した。
ミーティングまであと5分。
「...あ、私吹未ちゃんに連絡してない。」
幸い今日は大きな議題がない。
今日は来なくても大丈夫だろう。
「お、遅れてすみません!」
「吹未ちゃん...!?」
「はい!
あ、未月先輩が昨日連絡してくれて...」
未月を見ると、恥ずかしそうに俯いている。
「去年、先輩が連絡してくれたの思い出して...」
あぁ、なんて出来た後輩だろう。
「あの、局長!
私の教育係って...いま決めてもいいですか!」
「...うん、いいよ。」
吹未ちゃんならわかるのだろう。
〝誰が〟先輩に向いているのか。
大事なことが決まろうとしているのに、聞こえないのかまだ言い合いをしている二人。