こちら中等部恋愛運営局。
-蒼緒side-
「蒼緒くん、お仕事頑張ってね~!」
「おう、ありがと!」
「蒼緒先輩~!」
「はぁ~い!」
渡り廊下。
それは唯一学年関係なく移動が許されている場で、他学年(特にⅡ校)に用がある人にとって、そこは絶好の観察スポットだった。
俺もその観察対象リストに挙がる一人で、自分自身それが嫌だとは思っていない。笑って過ごせば大概のことは許される状況をつくるにもってこいだから。
ただ、一つ腹が立つことを挙げるとするなら。
「あ、蒼緒先輩!」
「ん、どーした?」
「大叶先輩から呼んでたって聞いて来たんですけど...」
「またあの子?
大して可愛くないのに蒼緒に馴れ馴れしい~」
こんなとき。
同じ局会で仕事をしているんだから、仲が良いのも不思議じゃないはずなのに。
むしろ騒ぐ君たちの方が馴れ馴れしいのに。
自分のことを棚にあげて騒いでいる連中を見ると、どうしても感情を無にすることは出来なかった。
「じゃあみんな、俺たち仕事があるから...
静かに、仕事がしやすいようにイイコで待っててね?」
それでも、一時の感情でいままでの積み重ねを壊すわけにはいかないから。
熱くなった感情を、冷やして、凍らせて。
冷たくなった心を隠して、温かい笑顔を浮かべる。
「じゃあ一回局室戻ろうか。」
俺、3年辻本 蒼緒(つじもとあお)は《冷静に平和に》をモットーに学校生活を過ごしている。