こちら中等部恋愛運営局。
#1 新メンバー争奪戦
-大叶side-
入学式から早2日。
あれから会員数は順調に増えていき、今日までで1年の1/3を迎え入れた。
...だが。
「会員じゃなくて局員が欲しいんだよな~」
「...まぁね。」
蒼緒の声に苦笑いしてしまう。
実際その通りで、局員応募は未だに来ていない。
「天宮~!
1年来てるぞ!」
クラスメートに呼ばれ、少し重たい腰をあげる。
蒼緒も対応してくれればいいのに、なんて気持ちを込めて視線を送ってみるけど名指しされてるから行かないわけにもいかない。
「あの、局長さんですよね...?」
...可愛い。
背は150cmないぐらいだろうか、160cmを越える身長の持ち主である私には少し羨ましくもなる背丈の女の子だった。
「はい、恋局の天宮です。
会員登録なら今紙持ってくるから...」
「あ、あの!」
紙を取りに行こうとしたとき、少し大きな声で呼び止められた。
「わ、私...
局員になりたくてっ!」
ガタンッと音がして我にかえる。
音の正体は簡単に想像がついた。
「えっと...お名前は?」
精一杯の作り笑顔を浮かべ、そう聞くと、彼女は可愛い笑みを浮かべて応えた。
「1年4組、佐々木 吹未(ささきふみ)です!」
「吹未ちゃん、君みたいな可愛い子が来てくれて、僕たち嬉しいな。」
「蒼緒
「放課後、局室来てもらえるかな?
手続きはそこで行うから。」
「わ、わかりました!
よろしくおねがいしますっ!」
吹未ちゃんは勢いよくお辞儀をすると、パタパタと走りながら去っていった。
「局員第1号だね。」
「...うん」
私の反応を見ると、蒼緒はニヤリとして教室を出ていった。