【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
*琉衣くんが笑った
「違う!!カット分厚い!!」
「は、はいっ!」
「絞りのサイズちげーだろこれ!!
何見てんだよ!!」
「ごめんなさいっ…!」
「やる気あんの!?お前」
「…あります!!」
朝から晩まで立ちっぱなし、怒鳴られっぱなし。
その日も土日仕事はボロボロだった。
琉衣くんは鬼教官のごとく私を監視し続ける。
久々に心が折れそうになった。
平日と違って土日は丸1日お店に入る。
やることもたくさんあるし、お店が混むからみんなピリピリしてる。
私は要領よく動けなくて、そのたび何度も琉衣くんのカミナリが落ちた。
慣れない焼き菓子がうまくできない。
流れが未だにつかめない。
むしろ私がみんなの足を引っ張ってるみたいで心苦しい。