【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
やっぱり思いきり顔に出てしまってるみたいだった。
だけど弱音なんて吐いちゃいけない。
「いえ…だ、大丈夫です!
頑張ります!」
俊介さんは私が必死で取り繕ったように笑うと、それを見てクスッと笑った。
「あはは、さては琉衣にやられたな。あとで説教してやろ。
あいつうるさくてごめんね。
ホントどうしてあぁ口が悪いんだか」
「いえ…
私がミスしてばかりなのがいけないので」
「そんなことない、よくやってるよ。
ベーカリーホントは人足りてないんだから。
亜里沙ちゃんはまさに救世主だよ」
……え?
「前いた子がさぁ、急遽辞めちゃって…ずっとうちの系列店舗からヘルプ頼んだりしてたんだ。
優秀な女の子だったんだけどね。
そんな時親父が連れて来てくれたのが亜里沙ちゃん」
あ、そういえばそんなことお父さんが言ってた。
「この子ならきっと大丈夫って言われたけど、本当だったね」
「えっ…?」