【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜

そう言われて一瞬、言葉の意味が理解できなくて。


私は俊介さんにたずねた。


ずっと気になってたこと。



「あの…前から思ってたんですけど……

世界さんは、前から私のこと知ってたんですか?」




この家に来るとき、確か世界さんがどうしても私に来て欲しいとお父さんに頼んだって聞いた。


その理由は?


ただ単に人がいないから?


実はすごく疑問だった。



すると俊介さんはふふふ、と笑う。



「…あれ?知らないの?…そっか。

うちの親何気に亜里沙ちゃん家のお店よく通ってたんだよ」


「えぇ〜っ、ウソッ!?」


「ホントホント。

まぁ親父とかふだんメガネかけてるからわかんなかったかもだけど、亜里沙ちゃんがたまに接客してるの見かけてたらしいよ。

うるさい客も偉そうな客もひるまず丁寧に対応する、根性ある子だって言ってた」


「えー!」



…知らなかった。


うちのお店に来てくれてたんだ。



確かに言われてみれば見たことがある顔のような気もするけれど…


私レジとかたまにしか入らなかったし……


まさかそれで声をかけてくれたなんて。


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