【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
生まれて初めて勉強を教わるのに、「教えろ」なんて命令する人を見た。
なんてことは置いといて…
「あ、うん。いいよ。
ちょっと見せて…」
私はさっそく問題を確認する。
すると、それは最近習ったばかりのわりと基礎的な問題だった。
これならわかる。よかった…。
「あ、これ1問目は公式そのまま使うだけだよ。
これなんだけど、最近習ったよね?」
「…は?」
だけど琉衣くんはナンダソレ?みたいな顔してる。
どうやら公式も覚えてないみたいだった。
「…知らねぇ。っつーか寝てた。
お前よく寝ないで授業聞けるな。
朝早ぇのに」
それを聞いてなんだか親近感。
琉衣くんもやっぱり授業中眠いんだ。
私と一緒だなって思った。
「ううん、私もよく寝てるよ!
1日ずっと起きてたことなんてないし…。
ただ、数学だけは聞かないとわからなくなるからなるべく起きるようにしてるの」
「は?マジかよ。
俺むしろ数学ばっか寝てんだけど。
あれこそ眠いだろ。倉田(数学担当)ボソボソ喋るし」
「あはは!そうだね〜」