【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
慌てて教科書に視線を戻す。
えーと、どの問題だったっけ…
あ、コレだ!
「あ、琉衣くんじゃあこれ二問目…」
……あれ?
だけど再び琉衣くんに視線を戻してみると、なんだか思いきりよそ見している。
自分からやるぞって言ったのに。
私はトントン、と彼の腕をたたいた。
「ねぇ琉衣くん…続き…。
る…」
「あァっ?//」
ようやく振り返る琉衣くん。
だけどその顔はなぜかすごく……
どきん…。
赤いのはどうしてなんだろう…。
「えっと…
これもさっきの公式なんだけどね…」
「さっきのってどれだよ!//」
「だから…これ」
「もう全部最初から言え!」
「はい…」
………
私はこの時心の中で、
もしかして琉衣くんはすごくシャイな人なんじゃないかって…
樹さんが前言ってたとおり、この口の悪さは照れなのかもしれない…なんてことを思ってしまった。
乱暴な口調とはうらはらに、
真っ赤な耳と頬…。
やっぱり琉衣くんはなんだか、憎めない人。