【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜

慌てて教科書に視線を戻す。


えーと、どの問題だったっけ…


あ、コレだ!



「あ、琉衣くんじゃあこれ二問目…」



……あれ?



だけど再び琉衣くんに視線を戻してみると、なんだか思いきりよそ見している。


自分からやるぞって言ったのに。



私はトントン、と彼の腕をたたいた。



「ねぇ琉衣くん…続き…。

る…」


「あァっ?//」



ようやく振り返る琉衣くん。


だけどその顔はなぜかすごく……



どきん…。



赤いのはどうしてなんだろう…。



「えっと…

これもさっきの公式なんだけどね…」


「さっきのってどれだよ!//」


「だから…これ」


「もう全部最初から言え!」


「はい…」



………



私はこの時心の中で、

もしかして琉衣くんはすごくシャイな人なんじゃないかって…


樹さんが前言ってたとおり、この口の悪さは照れなのかもしれない…なんてことを思ってしまった。



乱暴な口調とはうらはらに、

真っ赤な耳と頬…。



やっぱり琉衣くんはなんだか、憎めない人。


< 114 / 388 >

この作品をシェア

pagetop