【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
上から下まで舐め回すような視線にゾクっとする。
なんだろう、いつも思うけど小川さんはすごく色気があるというか、妖艶というか……
慣れない大人っぽい雰囲気に、私は戸惑ってしまうのだった。
「ごめんね、煙たかったよね」
小川さんはそう言うと、まだそんなに短くなっていないタバコを灰皿に押し付ける。
わざわざ私に気を使って消してくれたようだった。
「あ、そんな!
大丈夫です!気にしないでください!」
「でもほら、制服匂ったらまずいでしょ?」
ガタッとイスから立ち上がる小川さん。
そしてそろっと私に近づくと、胸元に手を伸ばした。
「リボン…ちょっとずれてる」
……ドキッ。
慌てて来たせいか、回ってしまったリボンを直してくれる彼。
「あ、ありがとうございます…!」
「ふふ、じゃあまたあとでね」
そして手を振りながら休憩室を去って行った。
……ビックリした…。
でも別に、悪い人ではない気がするんだけど……
気をつけたほうがいいって本当なのかなぁ…?