【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
「お疲れ様でーす」
ベーカリーに入ると、今日は畑さんがいなくて、樹さんと琉衣くんの二人だった。
琉衣くんはいつの間に着いてたのか、私より早い。
自分ではかなり急いだつもりだったのに、目が合うなり小声で「おせーよ」と小言を言われてしまった。
畑さんは今日は休みで、三時までヘルプの人が来ていたらしい。
とにかくギリギリの人数でまわしてるこの職場。
樹さんも休みがないと嘆いている。
私と琉衣くんは昼間は学校があるし、土日はフルで出られるとしてもやっぱり人が足りないとのことで、近々また新しく人を入れる予定みたいだった。
これも樹さん情報だけれど…。
「亜里沙ちゃん、急いで来た?」
「えっ…、あ、はいっ!」
「帽子がぎゃーく(笑)」
「…きゃっ、ごめんなさい!」