【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
樹さんは小声でつぶやくと、ニヤニヤしながら私の顔を見る。
「…まさか、そんなわけないです!」
「どうかな〜(笑)
最近俺らが仲良く喋ってるといつも邪魔してくるし。
そんなわけあるかもよ?」
「わ、私小麦粉取ってきます…!!//」
なんだか恥ずかしくて、思わずその場から逃げてしまった。
琉衣くんが私にヤキモチ…?
ありえないよ…!
樹さんはいつもああやってからかうんだから……。
奥のケースに入っている小麦粉の袋を、私はよいしょ、と持ち上げた。
家でも運んでたから大丈夫だと思ってたけど、やっぱりめちゃくちゃ重い。
思わず体がよろけそうになった。
だけど、あと少し…。
「…おっと!」
……どきっ。
その時誰かが私の体を支えてくれた。
そして小麦粉の袋を一緒に抱えてくれる。
「大丈夫?これ女の子一人じゃ持てないでしょ!」
誰かと思ったら助けてくれたその人物は、あの小川さんだった。
「す、すいません…!」
「いやいや、大丈夫。
一緒に持つよ?」