【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
…ひゃーーっ!!
は、恥ずかしい!!
慌てて額を両手で隠したら、琉衣くんはそれを見てまたゲラゲラ笑っていた。
なんだか話が思いきりそれた気がするけど、これはこれで良かったのかな…?
さっきとは違って元気そうな琉衣くんを見てホッとする。
そしてこんなふうに素で笑ってくれることが嬉しくて。
心がまたあったかくなる。
琉衣くんは、思ってた以上にすごく不器用で、人間らしい人。
そして、ほんとはすごく優しい人…。
「…ゲッ!つーかもうこんな時間じゃねぇかよ!
お前のせいで風呂遅くなったろーが!!」
「えぇっ!わ、私のせい…!?」
「くそっ、俺の寝巻き用意しとけよ!あとバスタオルも。
じゃあな!!」
「は…はい…」
そのままバタン、と部屋の窓を閉めて急いで去っていく琉衣くん。
私はぽつんと取り残される…。
「……」
やっぱり人使いが荒いところは相変わらずみたいだけど…
少しだけまた、彼との距離が縮まった気がした夜…。