【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
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「ご注文は以上でよろしいですか?」
白いシャツに黒いエプロン姿の美人なウエイトレスさんがたずねる。
私たちは俊介さんに言われたとおり、カップル限定ランチなるものを2人で頼んでみた。
前菜からデザートまで色々揃っていて、確かにお得な感じ。
注文は全部琉衣くんがテキパキとこなしてくれた。
優柔不断な私はかなり迷ってしまったけれど…。
「はー。女ってホント決めるの時間かかんのな」
「う…ごめんね」
琉衣くんは私の隣に座り、テーブルに頬杖をつきながらこっちを見る。
だけど私はさっきからあまりに距離が近くてドキドキしっぱなしだった。
だってこのテーブル、なぜか片側にしか席がない。
いわゆるカップルシート的なものらしくて、向かい合ってではなく、隣り合わせに座らなければいけないのだ。
しかも各席個室っぽく隔ててあって、周りを気にせず食事できるようになってる。
琉衣くんの隣で食べるとか…
考えただけで緊張するよ…!
まるで部屋に二人っきりみたいだ。
落ち着かない…