【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
そのまま私は琉衣くんに連れられて、近くにある大きなショッピングモールへ行った。
土曜日のショッピングモールは混んでいて、家族連れやカップルなんかで大にぎわい。
琉衣くんは普段からよく来てるのか、迷うことなくスタスタと自分の行きたい階へと向かう。
私はこういう所、麻実やお母さんとたまに一緒に行く程度なので、なんだか新鮮だなぁと思いつつも少し緊張した。
だって琉衣くんはさっきからずっと手を繋いだままだし…
こんなところに来て、本当にデートみたい…。
「おい亜里沙、本屋行くぞ」
琉衣くんはそう呟くと三階にある本屋へと向かう。
本屋もまた、立ち読みする人やレジに並ぶ人でいっぱいだった。
コミックコーナーの前に来ると、何やら足を止める彼。
「あった、コレ」
そして少年漫画の新刊を手に取ると、なぜか私にポンと渡してきた。
「お前ちょっと持ってろ」
「えっ、」
「俺まだ見たいのあるし。次、雑誌」