【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
朝ごはんはいつも焼き立てのパン。
朝の仕込みを手伝ったあとに牛乳と共に口に放り込んで、お父さんが焼き上げるパンの香りに包まれて家を出る。
「行ってきまーす!」
だけど、学校に行く時間にはひと仕事終えてるから、どうしても授業中は眠くなっちゃう。
居眠りしないで1日を過ごすのはかなり難しい。
学生の本分は勉強なのに、ね(笑)
今日も朝からバタバタして学校に着くと、仲良しの中村麻実(なかむら まみ)が出迎えてくれた。
「おはよーっ!亜里沙!
あっ、今日もいい匂いする〜♪」
麻実とは一年の頃から仲良しで、二年生になった今もまた同じクラス。
毎日ほぼ一緒にいる。
茶髪のショートヘアが似合う、明るくて元気な子。
ちょっとボーッとしてる私をいつも助けてくれるの。
「おはよう!麻実。
そう?匂いするかなぁ?」
「するする!亜里沙はいつもパンの匂い!
ってか、口になんか付いてるよ!」
「えっ!?」