【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
たしかに小高くんはイケメンだしいい人だし、最近よく話しかけてくるけど…
だからって気に入られてるとか、そんなことはありえない。
他にも仲いい女の子なんていくらでもいるし…
「ほらまた、シュート決めたぁ…!」
「わっ、」
ボールがリングをくぐり抜ける音とともに女子たちがざわめく。
麻実に言われるがまま視線をやると、ほんとにそれは見事なシュートだった。
すごいジャンプ力…。
もう少しでダンクだって決められるんじゃないかっていうくらい、小高くんのジャンプは軽やかだ。
だけどそれに見とれていると……
ーーグイッ!
「…きゃっ!」
急にうしろからポニーテールを引っ張られる。
いつかみたいに。
振り返ればそこには試合を控え休憩中の琉衣くんが立っていた。
な、なんで……、
いつの間に…?
「なに見とれてんだよアホ」