【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
ーーピーッ!!
それから間もなくして琉衣くん達チームのバスケの試合は始まった。
開始早々周りはギャラリーで埋め尽くされ、黄色い声援が飛び交う。
相変わらず琉衣くんの人気はすざまじく、小高くんにわざわざ張り合う必要なんてないくらいだった。
それに、初めてまともに彼の試合を見たけれど、めちゃくちゃ上手い。
バスケのことがよくわからない私でもすごいと感じる。
とにかくスピード感が他の男子とは比べものにならなくて、琉衣くんがボールを持つと誰も奪うことなんてできないんじゃ、と思うくらいだった。
「うっわぁ〜!やっぱり琉衣くんダントツ!!
かっこよすぎ!♡」
隣にいる麻実も釘付けになってる。
私もなんだか目を離せなかった。
見てるだけでドキドキして、興奮するような…
パンを作っている時とはまた違う、琉衣くんの真剣な表情に目を奪われる。
カッコいい……
「なんか今日やけに気合い入ってるね〜。
やっぱりさっきのアレのせい?」
「えっ!」