【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
車で10分ほど走ったら、すぐにMiyakawaまで着いた。
店の駐車場に停めさせてもらい、裏にある宮川家の敷地まで歩いていく。
宮川家はうちみたいに店舗兼自宅ではなく、お店と自宅は別で、広々とした庭までかまえているような豪邸だった。
門の前に立つだけで、怯んでしまいそうになる。
ここが、琉衣くんの……
レンガ造りのおしゃれな西洋風の建物に、ガーデニングがキレイに施された庭。
そして同じくレンガ造りの塀に取り囲まれて、それはそれは裕福なお宅だということが一目見てわかる。
こんな家でこれから毎日暮らすなんて…
考えただけでもクラクラしてきて、思わずまた引き返しそうになった。
「それじゃ、伺おう」
だけどそんな私を気にするでもなくお父さんはインターホンを押す。
ーーピーンポーン
すると、スピーカーから奥さんらしき声がして
「はぁい」
「西村です。お世話になります」
「はい、どうもこんにちは〜。今開けますね」
開けますね、の声とともに、門のロックが外れる音がした。
ーーガチャッ、