【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
*帰ってきた彼女
文化祭は大盛況のまま終わり、クラスの打ち上げもすごく盛り上がった。
6月ももうすぐ終わり。
そして7月になればいよいよこの居候生活にも終わりがやってくる。
お父さん達が帰国して、迎えに来るのが7月の頭。
あと1週間半で宮川家ともお別れかと思ったら少し寂しかった。
いや、かなり寂しい。
だって私…気づいてしまったから。
自分の気持ちに。
琉衣くんとこうして毎日いられなくなるんだと思ったらたまらなく寂しい気持ちになる。
「おい亜里沙、リモコン取って」
琉衣くんはソファーにドカンと腰掛けながらテレビを見てる。
その横で私は単語帳を見ながら英語の単語を覚えていた。
だけど琉衣くんに言われてすぐリモコンに手を伸ばす。
ハイ、と渡したらこちらを見もせず受け取られた。
「ん」
この”ん”しか言わないところがまた琉衣くんらしいけれど。
ちょっとはこっちを向いてほしかったな、なんて。
期待しすぎだよね。