【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
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「はぁ…」
朝からずっとため息ばかりでなにも手につかない。
授業中も居眠りはしないものの、考え事してばかりでまったく授業が頭に入らなかった。
よりによってテスト期間だっていうのに。
なにやってんだろう、私…。
それもこれも全部、今朝の出来事が原因だ。
あの沙良さん登場後、琉衣くんは非常にテンションが低くて…私は話しかけることもできなかった。
結局お弁当も渡し忘れちゃったし、だけど催促にも来ないし…。
よほど彼女との再会がこたえたんだろう、と思うとなんだか苦しい。
琉衣くんにとって、彼女は一体何なんだろう…。
そのことが気になって落ち着かなくて。
だけど正直知るのが怖い自分もいて…。
結局一人悶々とするだけなのだった。