【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
「っていうか、さっきはなんかごめんね。
春馬…いや、小川さんがさ、ほんとに嫌な奴でね。
亜里沙ちゃんも気をつけたほうがいいよ。
ホントに女好きで最低男だから」
「そうなんですか…」
沙良さんまで…。
「ちなみに亜里沙ちゃんは私のことどこまで知ってるの?」
「えっ?」
そう聞かれた時は驚いた。
どこまで…?
それはどういう意味なんだろうって。
「どこまでって…
半年前に辞めた優秀な社員さんだってことと…
樹さんと同い年ってことと…」
「それだけ?」
「はい…」
「そっかぁ。
じゃあなにも聞いてないんだね、良かった」
…良かった?
沙良さんは少し考えたように黙り込む。
そして、
「じゃあ琉衣は…」
どき…。
「琉衣は何か私のこと言ってなかった?」