【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
*かなわない
もしも…
昔好きだった、自分を振った彼女が、
再び目の前に現れたら…?
そしてその彼女がもし、またやり直したいと考えていたとしら…
どうする…?
授業中もうわの空、そんなことばかり考えていたら、あっという間にお昼休みになった。
テスト勉強どころじゃない。
「亜里沙、お昼食べ行こー!」
麻実の元気な声が聞こえてハッとする。
今日はお弁当を作りそこねた私。
だから久しぶりに二人で学食のランチを食べようと朝から約束していた。
実は昨日の沙良さんのカミングアウトがショックでなかなか眠れなくて…
そしたら朝バッチリ寝坊してしまったのだ。
いつもは私が起こす役なのに、逆に琉衣くんに叩き起こされて。
でも琉衣くんは意外にも、そこまで私に怒ったりしなかった。
なぜならたぶんそれは、私が朝起きて彼の顔を見たら泣きそうになってしまったから。
昨日のこと思い出したうえに、寝坊なんかして自己嫌悪で…。
そんな私の様子に気がついたんだと思う。
お弁当も作ってあげられなかった。
なにやってんだろ…