【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
バランスを崩した板重がジェンガのように崩れ落ちる。
ーーガラガラガラッ!
思わずぎゅっと目をつぶった。
だけどその瞬間、
「沙良っ…!!」
勢いよく叫んで飛び出した琉衣くんを、私は見逃さなかった。
えっ……
まるで沙良さんをかばうかのように、抱きしめて…
そのまま二人床に倒れこんだ。
板重がいくつも琉衣くんの背中に落ちる。
ウ…ソ……。
琉衣くんが、
沙良さんを……
その光景は自分でも信じられないほどショックだった。
言葉が、出ない…。
「……ってぇ〜…」
琉衣くんはゆっくりと顔を上げる。
「おい、大丈夫か!?沙良!」