【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
もう呼び方なんて気にしてないみたい。
ただ純粋に彼女を心配してるのがわかった。
「だ…大丈夫…。
ごめん…」
覆いかぶさるように見下ろす琉衣くんの下で答える沙良さん。
声が少し震えてる。
「…はぁ…。ったく気ぃつけろよな。
前もお前崩してんだろこれ。
学習しろ、バカ」
琉衣くんは呆れたようにつぶやくとその場に起き上がる。
そこにいつもの気まずい空気はもうなかった。
沙良さんは自分も起き上がると申し訳なさそうにまた謝る。
「ご、ごめんね…。ほんとごめん…」
すると、ふいに琉衣くんのコックコートをぎゅっと掴んで…
彼の胸に自分の顔をうずめた。
えっ…?
「ありがとう…琉衣…」
ドクン…。