【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
私が意を決してたずねると、樹さんは目を丸くする。
そして、少し迷ったように口元に手を当てるとこう言った。
「…んー……。
これ、俺の口から話しちゃってもいいのかな?」
だけど、私はもう我慢できなくて。
「お、お願いします!
知りたいんです…」
必死な顔で訴える。
そしたら彼は眉を下げ困ったように笑い、
「あーもう、仕方ねぇな〜。
でもこれ絶対俺が言ったって琉衣に言っちゃダメだよ?」
「はい」
…そして静かに語り始めた。
「あの二人はねー…琉衣が高一の時、5月頃から付き合ってたのかな。
最初は琉衣の一目惚れで。
琉衣からコクって付き合い始めたんだよね。
半年くらい…かなぁ。
途中までは順調だったんだけどね。
だんだんと、ギクシャクしてきて。
ある人の登場でね」
ある人…?