【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
悪い想像しかできなかった。
だって…今の話を聞いたら、
小川さんがちょっかい出したりしなければ、二人は別れる必要なんてなかったと思うから。
そして琉衣くんは今だって、小川さんを嫌ってる。
彼女だってつくらない。
それはもしかしたら、今でも……
「あ…ありがとうございました。
もういいです…」
「えっ?」
なんだかもうこれ以上、話を聞いていられなくて。
聞けば聞くほど知りたくないことが出てくるような気がした。
樹さんはまだ何か言いたげだったけれど…。
「あ、いや亜里沙ちゃん、ちょい待ち!
誤解すんなよ!そうじゃなくて…」
「……っ、」
「えっ?」
気付いたら涙が溢れていた。
嗚咽で肩を揺らし静かに泣く。
「…あ、亜里沙ちゃん!?」