【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
思わず少し顔が熱くなった。
こんなに優しい男の人っているんだなぁ…。
俊介さんの言葉はなんだか魔法のように胸に響く。
気持ちがすっと楽になる気がして。
「…はい」
私はバスタオルを抱えたまま、笑顔で返した。
すると俊介さんは微笑みながら、じゃあね、と手を振って一階へと降りていく。
あらためてこの人がこの家にいてくれてよかった…と、心から思った。
なんだか救われた気持ち。
さて、気を取り直してお風呂入らなくちゃ……
だけどその時、
「…はっ、バッカじゃねぇの?」
階段を下りようとした私の背後から、鼻で笑うような声が…。
…えっ!?
ドキッとして振り返る。
するとそこには腕を組んで、廊下の壁にもたれている琉衣くんの姿があった。
う…うそっ…、
なんでここに…!?