【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜

***

お店を出たあとは、少しだけブラブラしてから公園にやってきた。


小高くんは何か話したいことがあるみたいで。


夕方の公園はちょうど遊んでいた子供達が帰るところで、すぐに静かになった。


二人でベンチに腰掛ける。



「…今日は、ありがとな。

テスト前なのに付き合わせてごめん。

でも、来てくれて嬉しかった」



小高くんが少し寂しそうに笑う。


その表情に胸がきゅっと痛くなった。



「そんな、私こそ…、

パンケーキおいしかったし、おかげでテスト勉強はかどったし…

こちらこそありがとう。楽しかった」



彼には申し訳ないことばかりだ。


遅刻して、そのうえうわの空で、気を使わせてばかりで。


せっかくのお誘いなのに、嫌な思いさせちゃったかもしれない。


それなのに嫌な顔一つしないで…



「そっか、よかった。

西村が少しでも元気になればって思ったから。

でも俺じゃあやっぱ、役不足だったかな」


「えっ?」



ドキッとした。


それは…どういう意味…?



「俺本当は分かってたんだ。

西村がたぶん、他に好きな奴いるって。

そのことで落ち込んでるんじゃねーかってのもなんとなく気付いてた。

だけど、だったら俺がかわりに笑顔にしてやれねーかなって思ったんだよ」



どきん…。


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