【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜

***

「亜里沙〜!帰ってきたぞ!元気だったか?

久しぶりだな〜!」



翌日、お父さん達が宮川家に迎えに来て、宮川家のみんなは私の見送りをしてくれた。


だけど琉衣くんはそこにはいなくて。


早朝から店に出てるみたいだった。



静香さんと俊介さんは「また琉衣の奴照れやがって」なんて揃って呆れてたけど、私はもう平気だった。


だって昨日最後にちゃんと話せたから。

悔いはない。


寂しくないといえばウソになるけど…。



「もう、ひどいでしょう?

琉衣ったら俺は学校で会うんだから見送りとかいらないだろなんて言うのよ。

照れ隠しにもほどがあるわよね」


「まったく素直じゃねー奴!

ほんとは寂しいクセによ」


「いえいえ、琉衣くんらしいです」



ほんとに、琉衣くんらしいと思った。


最初だってみんなで出迎えてくれた時、琉衣くんだけいなかった。


こういうムードが苦手なんだろう。


俊介さんの言う通り、少しくらいは寂しいって思ってくれてたらいいけどね。


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