【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
〈side琉衣〉
【side琉衣】
ーー”んじゃ、またな”
他に何か言うべきだったのか。
それとも無理矢理にでも抱きしめて、「俺にしろ」とでも言うべきだったのか。
結局変なところでチキンな俺は何も言えなかった。
これ以上あいつに拒絶されたくなくて。
「私は琉衣くんのものじゃない」
そう言われた時、
俺は今までの自分の行動全てを否定されたような気がしてめまいがした。
無理矢理に、めちゃくちゃに、横暴なやり方で、あいつを従わせてきた。
断れないのをわかってて、ワガママばっかり押し付けて。
独り占めしたかったんだ。
誰にも渡したくなかった。
でもきっとそれはあいつには窮屈だったんだろう。