【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
そしたらまだ何か書いてあった。
『p.s. 沙良さんと仲良くね。
琉衣くんがいつも笑顔でいられますように。
亜里沙』
「…はっ?」
思わず声に出た。
何言ってんだこいつ。
なんでそこで沙良の名前が出てくんだよ。
モヤモヤと、嫌な予感がしてくる。
…なんかあいつ、誤解してねぇか?
そう思った瞬間、メモをバッと奪われた。
「おっ!これ亜里沙ちゃんのやつじゃん!俺ももらったぜ!
なになに…今までどうもありがとう…」
「こら!勝手に読むんじゃねー!」
「えーと…、
沙良さんと…仲良くね………って、えっ?」
樹さんはそこを読み上げるとギョッとした顔で俺を見る。
「おいこれ…」
同じことを思ったらしい。
「お前……やっぱ誤解されてんじゃん!
亜里沙ちゃん、お前と沙良ちゃんのことなんか勘違いしてんぞ」
「……っ、意味わかんねーよ」
「うぁーっ!クッソ…!
あの時俺余計なこと言わなきゃよかった!」
は?余計なこと?
「おい、それどういう…」
「行け」
「は?」
「やっぱり行け!今すぐ!」