【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜

そしたらまだ何か書いてあった。



『p.s. 沙良さんと仲良くね。

琉衣くんがいつも笑顔でいられますように。

亜里沙』



「…はっ?」



思わず声に出た。


何言ってんだこいつ。


なんでそこで沙良の名前が出てくんだよ。



モヤモヤと、嫌な予感がしてくる。


…なんかあいつ、誤解してねぇか?



そう思った瞬間、メモをバッと奪われた。



「おっ!これ亜里沙ちゃんのやつじゃん!俺ももらったぜ!

なになに…今までどうもありがとう…」


「こら!勝手に読むんじゃねー!」


「えーと…、

沙良さんと…仲良くね………って、えっ?」



樹さんはそこを読み上げるとギョッとした顔で俺を見る。



「おいこれ…」



同じことを思ったらしい。



「お前……やっぱ誤解されてんじゃん!

亜里沙ちゃん、お前と沙良ちゃんのことなんか勘違いしてんぞ」


「……っ、意味わかんねーよ」


「うぁーっ!クッソ…!

あの時俺余計なこと言わなきゃよかった!」



は?余計なこと?



「おい、それどういう…」


「行け」


「は?」


「やっぱり行け!今すぐ!」


< 355 / 388 >

この作品をシェア

pagetop