【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
ドクン……。
えっ……
今なんて……
「返事は?」
えぇっ…!?
返事??
「は…はいっ!!」
恐怖のあまり無意識に返事をしてしまった。
それを見てまたフン、と鼻で笑う琉衣くん。
「…分かってんだろーな。
役に立たなかったら追い出すから」
「……っ!」
追い出す…!?
そんな無茶な…。
だけど立場的に言い返せるわけがない。
「わ…わかった…。
ちゃんと迷惑かけないように…頑張ります…」
でもこの言葉ががある種の契約のようなものであると、この時は思わなかった。
琉衣くんは気が済んだのか、私から身を離すとすぐに自分の部屋へと帰っていく。
「……はぁ…」
私は肩をなで下ろすと、そのまま座り込んでしまいそうになった。
怖かった……。
琉衣くんってあんな俺様キャラだったの…?
言うこと聞けよって、どういう意味なのかな……。
だけど実は、
これが恐ろしい毎日の始まりで…
私は本当に言葉どおり、彼から逃れられなくなってしまうのだった。