【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
ドクン…。
まっすぐな瞳に吸い込まれそうになる。
半分怒っているような、そんな目で。
私はもうドキドキして言葉が出てこない。
琉衣くんはそんな私を見ながらふぅ、と息を吐く。
すると今度は優しい声で、
「わかんだろ?もう…」
そうつぶやいて私の髪を撫でるようにすくった。
そして、
「……っ」
唇にそっと柔らかいものが触れる…。
それは、生まれて初めての感覚だった。
一瞬何が起きたのかわからなくて。
えっ…?
ウソ……今、私…
驚いて固まる私から琉衣くんはそっと唇を離す。
目が合って。
そして私をまっすぐ見つめたまま、ハッキリとこう言った。
「…お前のこと好きだからに決まってんだろ」