【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
私がそう答えると、琉衣くんは一瞬固まる。
そしてまた大声をあげた。
「…はぁぁっ!!?
ウソつけ!ふざけんな!!
じゃあ他に誰がいんだよ!
兄貴か!?それとも樹か!?それとも…」
「琉衣くんだよ」
「……っ?」
そう…ずっと、
伝えたかった…。
「私……
琉衣くんが好き…」
そうだよ。
他の誰よりも、ずっとずっと…
「大好きなの…」
口にした瞬間、涙がこぼれ落ちた。
心の底から愛しくて。
でもずっと言えなくて。
やっと今、言葉にできたの。
「好き……。
私も…大好き…っ」
涙がぽろぽろこぼれてくる。
あふれ出して止まらない。
好きって言葉にするだけで、こんなに泣きたくなるなんて。
好きな人と気持ちが通じ合うことが、こんなに幸せで嬉しいことだなんて。
知らなかった…。
琉衣くんはそのままボロボロ泣き続ける私の背中に手を伸ばすと、思いきりぎゅっと抱きしめる。
それはもう痛いくらいに強く。
幸せすぎて胸がいっぱいになった。