【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
まるで漫画の中のいじめっ子みたいなセリフだ。
ほんとに持っていかなかったら何されるんだろう。
「わ、わかった。ごめんね。
ちゃんと持って行くから…!
でも…」
私はその場を去ろうとする琉衣くんを引き止めた。
でもね、これだけが気になる。
「なんだよ?」
めんどくさそうに振り返る琉衣くん。
「あの…琉衣くんは……
私が一緒に住んでるってみんなに知られても平気なの?」
「は?」
そう。
普通だったら絶対嫌なはずだよ…。
同じ学校の女子が家に居候してるなんて噂になったら困るだろうし。
琉衣くんみたいに有名人ならなおさらだ。
だけど琉衣くんは表情ひとつ変えずに答える。
「…べつに。
それでお前が困るんだったら黙ってりゃいいだろ」
「えっ…」
「そんなことよりお前が言うこと聞かねーほうがムカつく。
学校来たとたん俺のこと知らねぇフリしてんじゃねーよ」
…へっ?
「そ、そんなことないよ!」
「あるだろお前。
居候のクセに生意気なんだよ」