【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
「おー亜里沙ちゃん!
急に悪いね〜!琉衣いないからチャンスだと思ってさ、
なんて言ったら怒られちゃうかな?」
畑さんは私が現れるなりまた明るく出迎えてくれた。
琉衣くんがいないほうが教えやすいというのは畑さんなりの気遣いみたいで。
私も正直そのほうが緊張しなくてありがたかった。
琉衣くんはとにかく私に厳しいからなぁ…。
「あっ、紹介するね。彼が今年で二年目の近藤だよ。
ベーカリーは基本琉衣も合わせて僕ら三人。
亜里沙ちゃんも入れたら四人かな」
と、畑さんは新たにもう一人、ベーカリーのメンバーを私に紹介してくれた。
少し茶髪の可愛らしい顔をした男の人。
年はかなり若い?
私より少し上くらいに見えるけど…
「どうもっ!近藤樹(こんどう いつき)です!!
わーすっげー可愛い子!ラッキー!
沙良(さら)ちゃんの代わりに来てくれたのこの子かぁ〜。
こう見えても21歳!よろしくな!」