【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜

***


「ただいま〜」



家に帰ると、お母さんが珍しくリビングにいた。


うちは自宅兼店舗なので、一階がお店で、二階が自宅。



お母さんはなんだか慌ただしそうにしてる。



「おかえり、亜里沙」


「あれ?お母さんお店は?」


「今日は私は午後は休んでるのよ。

荷造りに忙しくてね」


「えっ、荷造り?」



そう言われて頭にハテナマークが浮かんだ。



荷造りって…一体何の?


どこか旅行でも行くのかな?



「あ、それより亜里沙、今日店が終わったらお父さんから大事な話があるからよろしくね」


「…話?」


「この前話してた店の改装についてよ。時期が早まったもんだから。

詳しいことはまた後でね。

ちょっとお母さん出かけてくるわ」


「あ、はぁい…」



そう言ってお母さんはそそくさと家を出て行った。


なんか変…


確かに最近もうすぐ店の改装をするからって夫婦で忙しそうにはしてたけど…


大事な話ってなんだろう。

気になるなぁ。


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