【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜
その声はとても切なげで、胸が締め付けられるようだった。
琉衣くんは何かにすがりつくかのように私をぎゅっと抱きしめる。
私はすごくドキドキして心臓が止まりそうだったけど、少しだけ心配になった。
どうしたのかな?琉衣くん…
何か怖い夢でも見てるのかな…?
「だ…大丈夫だよ!
それ夢だよ!!」
わけもなく腕の中でそんなことを言ってみる。
すると琉衣くんの体がピクッと動いた。
「……あ?」
間の抜けたような声と共に突然ばっと離れる手…。
私が起き上がるとすぐにお互い目が合ったけれど、琉衣くんの驚いた顔といったらなかった。
私の姿を見てめちゃくちゃ動揺してるみたいだ。
「……は…?え…
お、お前……っ、
なんでお前がここにいんだよ!!」