奇聞録六巡目



激しく痛む胸に、びっくりして目を覚ました。


白髪の老婆が胸の上に座っていた・・・。



目がくぼんで黒く、口を開けてパクパクと呻き声を上げる。



声も出せない。



・・・。



なんと言っているのか・・・。



―コノブタヤロウ―



確かにそう言っていた。



「頭、おかしいだろう!クソババア!!」



声を精一杯振り絞り言い放った。



―人殺しが・・・。―



ハッキリと老婆は言った。



何故だ?俺は人など殺しちゃいない!!



汚いホームレスをゴミ箱に棄てただけだ。



< 6 / 10 >

この作品をシェア

pagetop