奇聞録六巡目
激しく痛む胸に、びっくりして目を覚ました。
白髪の老婆が胸の上に座っていた・・・。
目がくぼんで黒く、口を開けてパクパクと呻き声を上げる。
声も出せない。
・・・。
なんと言っているのか・・・。
―コノブタヤロウ―
確かにそう言っていた。
「頭、おかしいだろう!クソババア!!」
声を精一杯振り絞り言い放った。
―人殺しが・・・。―
ハッキリと老婆は言った。
何故だ?俺は人など殺しちゃいない!!
汚いホームレスをゴミ箱に棄てただけだ。