寵愛の姫 Ⅱ【完】



常に、何処かしら触ってる。



「暁、くすぐったいよ…。」


「そうか?」



肩を竦ませる莉茉ちゃんの額に暁が口付けた。




……前までの暁からは、全く想像が出来ないだろう光景だな。




まさか、ここまで莉茉ちゃんを寵愛するとは…。





…もしも…


――そんな彼女を失ったら…。




最悪なケースが頭を過る。





見えてきた会社を前に、考えただけでゾッとするくらい、俺の身が氷そうになっていた。
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