寵愛の姫 Ⅱ【完】



「…莉茉様は眠られてしまったのですね。」


「……あぁ。」



………脅かせやがって。





一樹の気配を背に、ソファーの上で眠る莉茉の前に跪く。




穏やかなその寝顔に、強張っていた俺の頬が緩んだ。



「暁様、何か莉茉様に掛ける物を用意しますね。」

「…………。」



後ろからの一樹の声にそう言えばと莉茉を見下ろす。
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