寵愛の姫 Ⅱ【完】



「…善処します。」


「…ふっ…。」



肩を落とす私に、暁様は笑い声を噛み殺したように身体を震わせる。




それさえも、今まで仕えてきた中で目を見張るぐらいに珍しい光景だった。






冷酷無慈悲。



そう言われるほどに、女には冷めた表情の方だったのに…。



「…………。」



そこまで暁様を変えた莉茉様に尊敬の目を向けた。
< 129 / 440 >

この作品をシェア

pagetop