寵愛の姫 Ⅱ【完】



「……分かりずれぇ。」



呆れたような暁に頼さんは首を捻る。



「そうか?」


「お袋を理解出来るのは、親父だけだろうが。」


「…まぁな。」



鼻を鳴らす暁に、頼さんは照れ臭そうに微笑む。



「…もう、頼さんったら…。」



そんな頼さんに美夜さんが少女のように頬を染めた。



「―――君にも謝らなくてはいけないね。」



どこまでも、穏やかな表情と口調の頼さん。
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