寵愛の姫 Ⅱ【完】



「なら、話しは早い。暁が若頭でいるかぎり、莉茉さんは常に危険に晒される事になる。」


「…はい。」


「それでも、君は暁の側に一緒にいる覚悟はあるかい?」



真剣な親父の顔。




じっと、その瞳は莉茉だけを映している。



真っ直ぐに、心の内側さえも見透かすかのように…。



「……。」



黙り込む莉茉。




小さな細い手でさえも、固く握り締められている。
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